【わかりやすく要約】2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ

人生のヒントはこちら

「とんでもない時代へようこそではドライブをはじめよう」

今回はピーターディアマンディスさんとスティーブンコトラーさんが書かれた「2030年すべてが加速する世界に備えよう」という本を解説します。

2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング)

新品価格
¥2,376から
(2022/1/28 21:20時点)

この本はこんなあなたにオススメです。これからの10年に起こる変化を知りたい、なぜ今変化が加速しているかを知りたい、きちんと根拠のある予測を知りたい、そんな方におすすめの本です。

ここ数十年で変化が加速しているということはきっとみなさんも実感しているところかと思います。固定電話しかなかった時代から携帯電話が普及した時代、そしてスマートフォンの時代に移行し、今では子どもから大人まで誰もが高性能の端末を持つ時代になりました。

インターネットもかつての電話回線を使っていた時代から高速化定額化が進み、今となっては定額使い放題が当たり前でスマホで大容量の動画が見られてしまう時代です。

ゲームの世界もドット柄のグラフィックで楽しんでいた時代から今は仮想現実に入り込んで楽しむVRゲームや現実ゲームが入り込んでくるポケモンGOのようなARゲームの時代が訪れています。

AIの進化も目覚ましく、例えばボードゲームの世界ではチェス、囲碁、将棋などもAIの方が圧倒的に人間より強くなり、これまでずっと専門家の解説に頼っていた将棋中継もいまとなってはAIによる評価値が常に表示され、素人でもどちらが有利か一目で分かるようになりました。

本当に様々な大きな速い変化が同時多発的に起きている時代になっています。そしてこの2020年代その変化はさらに加速していくとこの本の著者は言います。

未来予測の本の中には根拠が薄いままに書かれているものもあるのですが、この本は違います。本の最後の20%が参考文献リストになってしまうくらいに大量の根拠を元に書かれている本です。

つまりこの本で示される未来はしっかりと現実性の高い予測になっているという事です。この本には非常に衝撃的な内容がたくさん書かれています。ドキドキして興奮を感じたり、あるいは今の状態からの変化があまりにも大きいことに恐怖を感じてしまう部分もあるかもしれません。

著者の言うとおり、まさにとんでもない時代をドライブするように感じられる本かと思います。

というわけでいつも通り最初にこの記事の結論を言っておきます。

結論:これからの10年はこれまでの10年とは比較にならない速さで変わる。私たちはこの変化を受け止め学び備えなければならない。

というわけでこの記事では
①なぜいま世界は加速しているのか
②医療の未来
③食料の未来

という順番で解説していきますのでぜひお楽しみください。

①なぜいま世界は加速しているのか

SF的な世界にあるものと聞いて何が思い浮かぶでしょうか?多くの人が思い浮かべるものの一つ、それは空飛ぶ車ではないでしょうか?

実はこの空飛ぶ車はもう遠い未来の話ではないんです。世界的なライドシェアの会社であり、最近ではウーバーイーツも有名になっているアメリカのテクノロジー企業ウーバーはこのように言います。ウーバーの目標は2020年には空飛ぶ車の性能を世に知らしめ、2023年にはダラスとロサンゼルスの空のライドシェアを安全に事業化することです、と2023年には空飛ぶ車を事業化するということをウーバーは目標として宣言しているわけです。

2023年といったらもう間もなくですよね。もうサイエンスフィクションの世界が現実になる日はすぐそこまで来ているということです。この空飛ぶ車のような10年前では遠い未来のことだと思っていたことが今急激に近づいてきた理由は何か?その答えがコンバージェンスだと著者は言います。

コンバージェンスとは融合という意味なのですが、一体何が融合するとSFの世界が実現するのでしょうか?

それはテクノロジーです。まずコンバージェンスの前段階の基本的なところからお話しします。テクノロジーの中には一定間隔で性能が倍増していきながら、価格が下落していくものがあります。その最たる例としてムーアの法則というものがあります。

1965年インテル創業者のゴードンムーア氏は集積回路上のトランジスタの数が18カ月ごとに倍増していることに気づきました。つまりこれはコンピュータのコストが変わらないのに性能が1年半ごとに倍増しているということを意味します。これに気付いた時ムーア氏はとても驚きました。そしてこのトレンドは5年10年と続いていくと予想します。

しかしムーア氏の予想は外れました。皆さんご存知の通りコンピュータの進歩は10年どころでは終わらなかったんです。コンピューターの性能の倍増は10年ではなく20年40年と続き60年近くたった今に至っても続いています。

その長きにわたる進歩の結果、コンピューターはどうなったでしょうか?あなたのポケットに入るスマートフォンを1970年代のスーパーコンピュータと比べてみると、いかに進歩したかがわかります。なんと大きさは1万分の1、価格は100分の1、性能は100万倍となったんです。本当に驚くべき進歩ですよね。

ですが本当に重要なのはここからです。このぺースで進歩しているのはコンピューターだけではないということです。AI、ロボティクス、ナノテクノロジー、3Dプリンティング、AR、 VRなどさまざまな分野がコンピューターと同じようにすごい速さで進歩し続けています。

一つ一つのイノベーションだけでもとんでもない成果を生み出しますが、これらが組み合わさったら、つまりコンバージェンスしたらどうなるでしょうか?

そうなんですSFの世界が実現するんです。SF の世界を実現させるのはこれらの猛スピードで進化していく各分野の技術のコンバージェンスによってなのです。

例えば空飛ぶ車の場合には膨大なデータを読み取るセンサー、それを取り込み処理するコンピューターやAI、長い走行距離と高い電力密度を持った電池の技術などのコンバージェンスによって実現します。

現時点では価格の問題が解決されていませんが、その解決も時間の問題だと言われています。

本書の中ではこのコンバージェンスによって革命的に変化していくものがたくさん紹介されています。買い物、広告、エンターテインメント、教育、医療保険、金融、不動産、食料などといったものです。

全部を紹介していくのはとても時間が足りませんので、今回は医療と食料について紹介していきます。

②医療の未来

では続いて②医療の未来。医療の未来という一つのテーマの中でもたくさんの内容が紹介されています。その中からここでは4つを紹介していきます。

「人体の部品交換」「モバイルヘルス」「ロボット外科手術」「寿命延長」この4つです。

人体の部品交換

ではまず「人体の部品交換」。車や建物では当たり前のように行われているように古い部品を新しい部品に交換してつねに動かし続けるという発想自体は多くの人が思い浮かぶと思います。

そして実際はそう簡単にはいかないということも皆さんご存知かと思います。しかしこの分野の研究も着実に進んできているのです。これを実現する方法の一つが異種移植、すなわち他の動物の例えば豚の臓器を人間に移植するというものです。

もちろんこれには病気、拒絶反応、動物虐待といった問題があります。そこで最新の研究では再生医療の技術を使って臓器を一から作成する方法が考案されています。

具体的にはいろいろな種類の細胞になれる細胞幹細胞を使います。京都大学の山中教授が発表して一躍話題になったips 細胞もこの幹細胞の一種です。ここに3 Dプリントリングの技術を組み合わせて使うというものです。3Dプリンティングで形を作り、幹細胞を使って生きた臓器にする、そんな技術の研究が進められているんです。

将来は臓器が弱ってきたら3Dプリンターで作った臓器に入れ替えるのが当たり前、そんな時代が迫ってきているんです。

モバイルヘルス

では次に2つ目「モバイルヘルス」の実現についてです。これはセンサーの技術を用いた方法です。例えば歯ブラシやトイレに埋め込まれたスマートセンサー、寝具や衣服についたウェアラブルセンサー、体に埋め込まれたセンサー、様々なセンサーがあなたの健康状態を察知してくれるようになります。

そして google アシスタントに一言言うだけでこういったセンサーからの情報を総合し、モバイルヘルスシステムがあなたの身体を隅々まで調べ上げてくれるようになる、そんなことが近い未来に実現するのです。

これまでは健康診断といえば半年か1年に1回長い時間をかけて行うものでしたが、モバイルヘルスが一般化すれば自分の体の状態を手軽に、そして連続的に確認できるようになります。いわば365日24時間健康診断状態というわけです。そうなれば病気の兆候をいち早くキャッチして重くなる前に治療してしまうことも容易になっていきます。

ロボット外科手術

次に3つ目、「ロボット外科手術」についてです。今はまだロボットが現実に手術をしているところを想像できない方が多いかもしれません。しかし実はロボットによる外科手術はすでにある種の手術においては人間の外科医よりも優れた結果を出しているんです。

STAR(軟部組織自律型ロボット)は人間の5倍から10倍の速度で組織を縫い合わせることができ、その精度も人間よりはるかに高い結果を出しています。また整形外科用の骨を削るロボットはすでに実用化されており、脊髄手術用のロボットは5種類が間もなく実用化されることになっています。

将来の外科手術ロボットには当然AIが搭載されますので、ロボットの外科医は短時間のうちに世界で最も経験を積んだ外科医になっていくのです。10年後あなたが手術室で人間の医師を目にしたら「絶対ダメ、ロボットがいい」と反射的に叫ぶはずだと著者はいいます。

手術もっとは最高に経験を積んだ最高に正確な仕事をする医者となるわけですから、それも当然のことでしょう。外科医がロボットに置き換わっていく日はそう遠くないのです。

寿命延長

では最後に4つ目「寿命延長」について紹介します。

寿命についても研究が進んでいます。かつて旧石器時代から産業革命が終わるまで人生は30年と言われていました。それが20世紀に入り抗生物質や公衆衛生の改善、水の普及などで1950年には平均寿命が48歳に伸び、そして2014年時点では72歳にまで延びました。

そして今となっては科学によって私たちが1年生きる間に寿命が1年延びるようになる時代が近づいてきていると言われています。これが本当に実現したらずっと生きていられるということになりますね。

そしてこの実現に向けた一つのキーワードは血液です。まだマウスを使った実験の段階ではありますが、若いマウスの血液を年老いたマウスの体内に送り込んだところおいたマウスは正気を取り戻すということが分かりました。

その効果は見た目だけに現れるのではなく、老齢マウスのさまざまな組織や臓器は若く健康なマウスのそれと同じ特徴を示すようになっていたのです。またこれは逆も同じで年老いたマウスの血液を若いマウスに送り込んだところ、衰えや老化が加速したそうです。

この実験から研究が進み、ハーバード大学の研究チームがこの現象の原因は成長分化因子11(gdf11 )と呼ばれる特定の分子であるということを突き止めました。この研究は今更に住んでおり gdf 11をはじめとした老化抑制物質を使った寿命延長研究やアルツハイマー病治療の研究が進められています。

まだ永遠の命が手に入るとまではいきませんが、100歳の人を60歳に戻すような人間の生存期間を大幅に伸ばすことはできるかどうかから、いつできるかの問題に移ったのだそうです。

これはさすがにすごいですよね!わくわくする未来です。

というわけで医療の未来として


「人体の部品交換」
将来人間の臓器は車の部品を取り換えるのと同じように取り換えられるようになること。

「モバイルヘルス」
体内や服、歯ブラシとさまざまな場所に設置されたセンサーにより常に健康状態を診断できるようになる。そして病気の兆候いち早く知れるようになり、重くなる前に治療できるようになること。


「ロボット外科手術」
外科手術はロボットが担当するようになる。もっとも経験が多く仕事が正確な外科医に手術してもらえるようになる。そして寿命延長1年経つ間に1年寿命が伸びる時代が近づいてきているといったことを解説しました。

③食料の未来

では続いて③食料の未来。食料についての進歩も非常に衝撃的です。

著者は2030年のキッチンがこのようになっていると予想します。おすすめのメニューはパーソナル AIが上げてくるメニューを選ぶとアマゾンのドローンが材料を運んでくる。料理はロボシェフが作ってくれ、ロボシェフはAIによって五ツ星レストランの一流シェフの動きを学習済み、肉は動物を殺して得るのではなく人工培養で作られている。

遠い未来のことのように思えるかもしれません。しかし実は一つ一つの技術要素は2020年の時点ですでに実現されているものです。この中の技術で最も身近に感じづらいと思われる人工培養による肉の生産について紹介していきます。

実はこの人工培養による肉の生産は食糧問題の救世主になる技術です。現在地球上の住むことができる地域の50%は農地です。そしてそのうちの80%が牧畜に使われています。牧畜が占めている土地が非常に大きいことが分かります。

そして使っている土地が広いだけでなく、世界の食用作物の30%は家畜が食べていて世界の水使用量のなんと70%も食肉生産に使われています。

このように牧畜業は非常に大量の資源を必要としています。

おまけに温室効果ガス排出量の14.5%が食肉生産によって発生しており、森林破壊の原因にもなっているほどです。今地球上でかつてないほど多くの種が絶滅していますがその最大の原因はこの農業用地の拡大です。

ですので農地を使わずに肉を得ること、つまり 培養肉生産の技術は非常に高い価値があるということになります。培養肉は通常の肉と比べると土地の使用料は99%カット、水の使用量は82%から96パーセントカット、温室効果ガスの排出量は78%から96パーセントカットできます。

この数字が意味することは培養肉が倫理的かつ環境にやさしい方法で世界の食糧問題を解決できるということです。培養肉が私たちや地球を救うということです。

まとめ

最後に内容をまとめます

①なぜいま世界は加速しているのか?理由はコンバージェンス融合にありました。コンピュータ、AI、バイオテクノロジー、AR、VR等の一つ一つだけでも大きな変化を起こすイノベーションがさらに融合コンバージェンスしているからでした。

②医療の未来では臓器は3 Dプリンターで作成され古くなった臓器と入れ替えられるようになる、さまざまな場所に設置されたセンサーにより常に健康状態を診断できるようになる、外科手術はロボットが担当するようになる、ということについて解説しました。

③食料の未来。培養肉が土地食料水問題の救世主となり、地球温暖化防止にも役立つ。バイオニックは数年内には一般人も手に取りやすい価格になるということを解説しました。

今回紹介した本2030年すべてが加速する世界に備えようについてまだまだ紹介できていない部分が多いです。本書の中では驚くべき予測とその根拠がこれでもかというくらいにたくさん解説されています。世界の未来の姿について一足先に知りたいという方はぜひ本書を手に取ってみてください。いつも通りリンクは下の概要欄に貼っています。というわけで今回の知識が何か少しでもあなたの人生の役に立てれば幸いです。

2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング)

新品価格
¥2,376から
(2022/1/28 21:20時点)

タイトルとURLをコピーしました