【要約】「あるがまま」でパニック障害を治す|発作の対処法【森田療法】

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今回紹介する本は森田療法です。

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森田療法といえば、パニック障害や不安障害の症状に特に効果があるといわれている精神療法です。

そこで今回の記事ではパニック障害で今まさに苦しんでいる方の特効薬になるよう、この本の解説をしていきたいとおもいます。

パニック障害とは

まずパニック障害というのは神経症の一つのタイプです。

そして森田療法では神経症の人の特徴として「物事についてこうあるべき」という考えが強い性格の人を上げています。

理想が高くて完璧主義だから、あるべきという現実を無視した理想的な姿を設定してしまうのです。

例えば「大勢の人の前で話す時であっても上がらずに堂々と話せるべきである」とか「自分は常に健康でありたい」とかそういう考えに強くこだわる人のことです。

「大勢の人の前で話す時であってもあがらずに話せるべきである」ということにこだわる人は話すときに詰まってしまったり、顔が赤くなったりするとそれだけで自分はダメな人間だという劣等感を持つことになってしまうわけです。

自分は常に健康でありたいという考えにこだわる人であれば、緊張して心臓がドキドキしたり、少し喉に違和感があるだけでも呼吸困難になるのではないか、と極端に不安になってしまったりするわけです。

これはどちらの場合も「あるべき」という枠組みを自分の中に作ってしまったことから自分で自分を苦しめることになったわけです。

そしてそういった神経症の一つのタイプであるパニック障害についてですが、このパニック障害というのは今お話しした神経症の症状にパニック発作というものが加わります。

パニック発作とは

パニック発作というのは体に何の異常もないのにも関わらず、例えば電車に乗っている時に息苦しくなってこのまま死んでしまうのではないかとか、自分で自分をコントロールできなくなってしまうのではないかとか、そういう恐怖感に襲われてパニックになることです。

パニック発作は不安の極限状態といえますので、本人にとってはとてつもない恐怖感があるわけです。

パニック発作が起こる原因

ではなぜパニック発作が起こるかというと、その背景には強いストレスを抱え続けているという問題があります。

例えば人間関係の悩み、仕事や勉強会の不安、家庭内での問題など、もともとストレスフルな状況にさらされているわけです。

そこにきっかけとなる事件が起こります。

例えば夏の暑い日に満員電車に乗ったような時です。

ふと息苦しさを感じて呼吸困難のような症状に陥り、このまま死んでしまうのではないかというような恐怖の体験をした場合です。

一度そのような恐怖体験をした人が不安を感じないようにと、考えれば考えるほど余計に不安が強く意識されてしまいます。

心臓だったり呼吸器だったり考えることを避けようとするところにかえって意識が集中してしまって、症状にとらわれてしまうのです。

そして元々背景にストレスフルな状況があるため、不安や恐怖という症状を盾にして現実逃避を試みるようになります。

その結果、満員電車に乗ることができなくなったりするというわけです。

このような流れをたどってパニック障害が完成します。

パニック障害の症状の乗り越え方

ではこのパニック障害の症状をどうやって乗り越えればよいのでしょうか?

パニック障害を治すには、まず神経症の本質を知ること。

そして自分自身をよく知ることです。

症状に悩んでいる人は、こうあるべきという現実を無視した理想的な考えにとらわれていないか。そしてそれに対して現実逃避的な行動を取っていないか、をよく見つめ直すことです。

なぜならこのように生きている限り不安のない人間はいませんし、
人間関係に全く問題が起こらないことなどあり得ないからです

人間は不条理の世界で生きています。いくらこうあって欲しいと願ってもそううまくはいきません。突然病気になることもあるでしょうし、人に裏切られることもあるでしょう。

そのようなことを先回りして心配して不安を作り上げてしまうこと、そしてその不安にとらわれ現実から目を背けてしまうことこれが神経症なのです。

この悪循環から抜け出すためには、あるがままで生きることが必要です。

あるがままで生きるとは、自分勝手にわがままに生きるという意味ではありません。

自分の感情、自分の置かれている環境、そして自分という存在をすべてをあるがままに受け入れて、その中で自分が定めた目的に向かって生きていくことです。

目的とは夢とか目標のような大きなものだけを言っているのではありません。

日々の小さなやるべきことを、やろうと思っていることの全てを含みます。

そしてあるがままに生きる時気分がどうであったかは重要ではありません。

重要なのは目的のことができたかどうかだけです。

これが気分本位ではなく目的本位であるがままに生きるということなのです。

さらにパニック障害の方は恐怖突入と呼ばれる行動をとることが必要になります。

この恐怖突入というのは恐怖という感情をあるがままにしつつ、自分が強いと思う状況の中に飛び込んでいくことです。

例えばパニック発作を起こしたらどうしようと考えて、電車に乗ることができず、職場に行くことができないという人は、パニック発作になることが怖いという感情をあるがままにしながら電車に乗って、職場まで行ってみることです。

なぜこの恐怖突入が必要かというと、パニック障害の人は現実に起こることを不安にしているのではないからです。

不安にしているのは予期不安と呼ばれるもので、過去の恐怖体験が基になっていて自分にとって何か重大な事件の起こるであろうことを予想して、それを不安にしているのです。

ですから思い切ってその不安に突入して、その不安が思い過ごしだった、とりこし苦労だったということを自分で体験することが大切なのです。

この体験こそがパニック障害克服の大きな第一歩になります。

まとめ

最後にここまでの話のまとめです。

パニック障害を克服するためには、

1つ目にあるべきという現実を無視した理想にとらわれていないかどうか、自分を見つめ直すこと。

2つ目にあるがままで生きること。そのとき気分がどうであったかではなく、目的のことができたかどうかだけを基準にすること。

3つ目に感情をあるがままに受け止めて恐怖に突入してみること。恐怖から逃げるのではなく恐怖を受け入れてみること。

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