サクッとわかる「行動経済学」をわかりやすく解説【要約/阿部誠】

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今回は東京大学の教授である阿部誠先生の書かれた、
「サクッとわかる行動経済学」をかわりやすく解説していきます。

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私たちは普段から多くの決断を繰り返しているが、
その多くは自分で選択しているようで、実は選択させられている、
ということを知っていますか?

例えば、ネットフリックスのプランには、
「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つがある。

多くの方は真ん中の「スタンダード」を選んでいるはずだ。

いや、選ばされている。

なぜなら人間は極端な選択をさけて
平均的な選択をする性質があるからだ。

だからサービスというのは、
わざわざ松竹梅の3つを用意していおき、竹を選ばせるのが鉄則なんだ。

これは焼き肉屋でも同じだ。「タン、上タン、特上タン」の
3つのランクのお肉がわざわざ用意されているだろう。

そこでほとんどのお客さんが真ん中の「上タン」を選ぶ。

もちろんお店が最も売りたいのは「上タン」だ。

今回の記事を最後まで読めば、

私たちがいかに自分で選択しているようで、
実は選択させられているかが分かるだろう。

人は過去の記憶からものを選ぶ

1つ目は、人は過去の記憶からものを選ぶ、だ。

レストランでメニューを選ぶときや、スーパーで物を選ぶとき、
私たちは無意識で決めているようにみえるが、
実は過去の記憶に基づいて選んでいることが多い。

つまり過去に選んでよかったものを無意識に選んでいるということだ。

であれば企業はどう考えるかというと、
「自分の商品を記憶に残したい」と考えるわけだ。

日本マクドナルド創業者である藤田さんは
「人間は12歳までに食べてきたものを一生食べ続ける」と考えて、
子供たちにハンバーガーを売りまくってきた。

すると大人になってもマクドナルドに来てくれるし、
親になったらその子供がマクドナルドの味を覚えるというわけだ。

そうやって何代にも渡ってマクドナルドの消費者になってくれる。

こんな風に人は記憶に残っているものをついつい選んでしまう。

人は見たことのあるものを買ってしまう

次は人は見たことのあるものを買ってしまう、だ。

よくCMで見たり、もしくは街中で見た広告の商品を
買ってしまうことがあるだろう。

人は見たことがあるもの知っているものを「いいものだ」と信用するんだ。

だから見たことのないワックスや生命保険、
薄毛治療のクリニックよりもCMで見たものを買ってしまうわけだ。

人間関係でいうと全く面識ない人と知ってる人くらいの違いがある。

となると当然、
企業としてはまず自分のブランドや商品を知ってもらって
記憶に残すということが必要になる訳だ。

人は未来よりも今の欲を優先してしまう

人は未来よりも今の欲を優先してしまう、だ。

例えば、今すぐに1万円もらえるボタンと、
1年後に2万円を貰えるボタンがあるとする。

合理的なのは1年後に2万円もらえるボタンなのだが、
ほとんどの人は今すぐに1万円もらえるボタンを押してしまう。

こんな風にほとんどの人は今すぐに手に入る、
お金や楽しみに大きな価値を見出している訳だ。

まあ簡単にいうと目の前の小さな欲を我慢できないということだな。

ちなみに投資家は「 1年後に2万円を貰えるボタン 」を押す人だ。

投資とは小さな欲を先送りにして、
後で大きな成果を手に入れるやり方だからな。

努力が無駄になるのが嫌だから損をするのにやめられない

次に、努力が無駄になるのが嫌だから損をするのにやめられない、だ。

例えばガチャガチャに3000円払ってもお目当てのキャラが出なかったとしよう。

すでに3000円払っているから、
引くに引けなくさらにお金を使ってしまうことがあるだろう。

これはサンコスト効果というものだ。

スマホゲーのガチャ、パチンコなんかでもそうなんだが、
「ここまで時間や苦労、お金を使ってきたのだから、今更やめる訳にはいかない。」とムキになって、すっからかんになることだ。

せっかく買ったゲームや本がつまらなくてもお金を払ったんだから、
我慢してやるというのもサンクコスト効果だ。

だからこういうものに手を出すときは、
あらかじめ使う金額や撤退する条件をはっきり決めておくことだ。

デートでいい印象を残す方法

次はデートでいい印象を残す方法、だ。

2回目のデートに行きたければ、
初デートで相手にいい印象を残すことが大切だろう。

「初対面」「デートのピーク」「去り際」
3つに気を付けることだ。

順番に説明する。

まずは「初対面」だ。
人の印象は最初の第一印象に大きく左右される。

初対面で笑顔で大きな声でハキハキと挨拶することができれば、
いい印象が残り続けるんだ。
だから最初のデートでは奇麗な服や靴を着ていくといいだろう。

そして次に「デートのピーク」だ。
ここは一番デートで盛り上がったポイントだ。

例えば、デートで花火を見にいくとか、
会話が想像以上に盛り上がったとか、
キスをした、とか何かしらのデートのピークがあるだろう。

それを作ることだ。

そして「去り際」これはデートの終わり際だ。
お別れするときに丁寧だったり、いい印象を与えることができると完璧だ。

だから最後にお見送りしてあげたり、
話をしながら車で家まで送ってあげたりするといいぞ。

せっかく1日を楽しく過ごせていたとしても、
最後にお別れの挨拶もなく帰ってしまったり
言い合いになってしまったりすると台無しだ。

この3つだけでいい。

人は1日を振り返ったときに、3つしか記憶に残らない。

ビジネスでも最初にビシッとしたスーツを着て、
礼儀正しくお別れをすることができれば、
よいイメージを相手に与えることができる。

表現の仕方で人の行動は変えられる

次は表現の仕方で人の行動は変えられる、だ。

例えば、自分の会社の社長が「わが社が生き残る可能性はわずかだ」
といったら、「ああ・・・この会社は終わったな」と思うだろう。

だが社長が「わが社は生き残る可能性は0ではない」と言ったら
「一緒に頑張って支え合いたい」と思うはずだ。

こんな風に人というのは、同じことを言っていたとしても、
表現の仕方次第で行動や印象を変えることができるのだ。

これをフレーミング効果という。

他にも「タウリン1g配合」と聞くのと
「タウリン1000mg配合」では後者を選びたがるだろう。

商品を見たとき2000円と1980円なら20円程度の差だが、
後者を選んでしまうはずだ。

こんな風に何かを人に伝える時は、
相手の心を動かす良い表現の仕方を考えてみることだ。

興味のあることだけを見てしまう

次は興味のあることだけを見てしまう、だ。

喫茶店で隣の人が話している時に、
自分の好きなゲームやアーティストの名前が出たら
聞き耳を立ててしまうことはないか?

ほかにも大勢の人が話しているパーティの中でも、
目の前の相手の話だけ聞き取ることができるだろう。

これはカクテルパーティ効果と呼ばれるものだ。

周りの音がうるさいにも関わらず、
興味のある人の声はきちんと聞き取れる現象だ。

でもなぜそんなことができるのか?

それは脳が邪魔な情報を入らないようにブロックしているからだ。

もしすべての情報が頭の中に入ってきたら、
頭の中が情報だらけでパンクしそうになるからだ。

裏を返すと、私たちは見たいものしか見ないということだ。

お金持ちになりたいという人は、「お金の情報」には飛び付くけど
「ダイエットの情報」には見えてないはずだ。

人は得よりも損を恐れる

最後は、人は得よりも損を恐れる、だ。

想像してみてほしい。

絶対に100万がもらえるAと、
50%の確率で200万、0%の確率で0円になるB」
ならほとんどの人はAを選ぶ。

こんな風に人は損しない選択肢を選ぶんだ。

これを損失回避という。

だがBを選ぶ人もいる。

人はボロボロに負けている状態だとギャンブルにでるんだ。

ピンチな人ほど一発逆転を狙うんだ。

まとめ

・人は過去の記憶から物を選ぶ

・人は見たことのあるものを買ってしまう

・人は未来よりも今の欲を優先してしまう

・努力が無駄になるのが嫌だから損をするのにやめられない

・良い印象を残すには初対面とピークと去り際が大事

・表現の仕方で人間の行動を変えられる

・人は興味のあるものだけを見てしまう

自分で選んでいるようで、実は選ばされていることが分かっただろう。

多くの企業はこの「行動経済学」を
しっかりつかってビジネスをしているわけだ。

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