今回はホスピス医として3500人もの患者をみとってきた小澤竹俊さんの書かれた「もしあと1年で人生が終わるとしたら」を解説していきます。
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ホスピス医とは治療が不可能な患者さんたちが穏やかな日々を過ごせるよう導く医者のことだ。そんな仕事を25年間してきた著者は多くの患者が死を前に人生を振り返って「もっとこうしておけば良かった」とか、「こんな風に生きればよかった」と後悔する人が多いことに気付いたのだ。
そんな後悔を少しでも減らすために今日は「もしあと1年で人生が終わるとしたら」と自分に問いかけてみてほしい。というと1年後に死ぬことはない、と謎に思っている人がいるが、最近では有名バンドのベーシストが32歳で亡くなっているし、ボーカルギターの方も31歳で亡くなっている。
もちろんこれは極端に短命な例だが、本当に何が起こるかわからないんだ。何の疑問もなく明日のことを語ることができるというのはそれだけで大きな宝物を手にしているようなものなのだ。今日の記事を読めばできるだけ後悔の少ない最期を迎えることができるようになるだろう。
どうしてもやりたいことはあるか?
一つ目はどうしてもやりたいことはあるか?だ。
もし1年で人生が終わるとしたら何をしたいかをまず考えてみてほしい。多くの場合「自分の生きた証を残したい」とか「旅行に行きたい」とか「ずっと会えていない人と会いたい」というのが出てくることが多い。
あなたはその夢を実行するべきだろう。なぜならやり残した後悔は人生の後半になればなるほど重くなっていくからだ。どんなにくだらないことでもいいから、やりたいことを実行するんだ。
例えばお笑い芸人の光浦靖子さんは50歳でカナダのバンクーバーに留学している。これも恐らく後悔のない人生を送るために思い切ってやってみたことだろう。だがこれで光浦さんは「あー本当はカナダに留学してみたかったんだよなぁ、できなかったなぁ」って思いながら病院の天井を見上げて死ぬことはないはずだ。そんな未練タラタラの最後を送るくらいなら「カナダに行ったけど全然ダメだったなぁ」のほうが100倍ました。
「もし1年で人生が終わるとしたら何をしたいか?」で出てくる答えは人それぞれ違う。まずは自分から出てきた答えを大切にして実行するのだ。
もし1年で人生が終わるのなら今の仕事でいいのか
次は「もし1年で人生が終わるのなら、今の仕事でいいのか」を考えてみてほしい。ここで考えておくべきなのは、自分一人が幸せになることで得られる幸福感には限界があると言ういうことだ。
例えば100%自分の金、名誉、地位のためだけに働いています、他人とかどうでもいいですって言う人が幸せになるには限界があるんだ。逆に誰かのためになっているようなことが実感できる仕事は幸福になりやすい。
実際に世界各国で寄付のように他人に利益を与える行動をする人は幸福度が高い傾向にあった。こうした時間、労力、お金などを自分が使って他人に利益を与える行動こそが幸せになりやすい仕事なんだ。
でも何で人に与えることで幸せになれるのだろうか?
それは他人に分け与えることで自分の豊かさを実感できるからだ。赤ちゃんに母乳を与える行為はまさしくそれだ。あれで嫌な気分になる母親はいない。なぜなら赤ちゃんに母乳を与えることで自分の豊かさを実感できるからだ。
そういう意味では自分の仕事が他人のためになっていると実感できている人は、あと1年で人生が終わるとしても仕事を続けると言うだろう。逆に自分の仕事が他人のためになっていないと感じる人は仕事なんかしたくないと言うだろう。今一度自分は仕事で誰かを喜ばせられているのかを考えてみるといいだろう。

もし1年で人生が終わるのなら今悩んでいることで悩むか
次は「もし1年で人生が終わるのなら、今悩んでいることで悩むか」だ。
人の悩みの9割が人間関係といわれている。特に人は他人と比べて悩むことが多い。自分の容姿や能力を他人と比べて落ち込んだり、または優越感に浸ったという経験は誰でもあるだろう。
だが当たり前だが病気になって死を目前にすると、あの人と比べて顔が悪いとか能力が低いなんてことで悩まなくなる。なぜなら死期を迎えたら体の自由がきかなくなるし、歩ける距離が短くなり、食事量が減っていき、排泄さえも人の助けを借りないとできない場合があるからだ。そうなると人と比べて一喜一憂することがくだらないことに気づき、今まで通りの普通の日常を過ごしたいと思うようになる。
こんな風に死を前にするとどうでもいい事が消え失せて、本当に大切なものが浮かび上がってくる。実際に著者は3500人の患者を看取った経験から、「誰かと競争をしたり他者と自分を比較しているうちは心に平和が訪れることはない」と気づいたそうだ。それを知った上で今一度、もし1年で人生が終わるのなら今悩んでいることで悩むかを考えてみてほしい。
自分らしく生きているか
次は自分らしく生きているかだ。
もし1年で人生が終わるのなら、誰だって自分らしく生きたいはずだ。人はついつい人の目を気にして遠慮や我慢をしてしまう。別に一緒にいたいと思わない友達となんとなく一緒にいたり、気持ちが冷め切っているのに夫婦を続けている人もいるだろう。
やっと離婚して自分らしく生きて行こうとしたときに、突然癌になり病室で寝たきりの状態で自分らしく生きられなかった我慢の人生を後悔する患者はとても多い。今私たちは毎日何を食べるのかや、どこに行くのか、誰と過ごすのかといったさまざまな選択を繰り返して生きている。その選択の集合体が自分らしさなのだろう。
しかし病気になるとその選択の幅は一気に狭まる。食べられるものも行ける場所も少なくなる。そうなって初めて人の目を気にして自分の好きなものを選択できる喜びを知るのだ。
とはいえどうしても人に合わせてしまう性格の人もいると思う。そういう人は一度自分一人になってみて、「何を食べるのか」や「なにをするのか」を意識して選んでみるといいだろう。一人であれば誰かに遠慮したり気にすることもないだろう。
そういうふうにまず自分ひとりで行動してみると、本当は自分が何を望んでいるのかが明確になってきて自分らしい選択ができるようになるだろう。
いくつになっても新しい一歩を踏み出す
次はいくつになっても新しい一歩を踏み出すことだ。
もしあと1年で人生が終わるのならと考えた時に、「あと1年なら悔いが残らないように生きてみよう」という人と「あと1年なら何をやってもダメだ」という人に分かれる。若い人でももう歳だからとか、もう今更遅いという人をいるが、それはよくない。
人間というのは未来に希望を持てなければ、今日1日を大切に過ごすことができない生き物だ。つまり今よりもっと良くなると思えるから今日も楽しく生きられるんだ。例えばムキムキになれると希望を持っているから筋トレをがんばれるし、でもしムキムキになれないと思っていたらそりゃ筋トレなんてする気が起きないだろう。

そんな風に未来が少しでも良くなっているのなら今を生きる活力になるのだ。60歳を超えてから youtube を始める人がいるだろう?他にも60歳を超えてからプロゲーマーを目指したり料理を始めたりマラソンを始めたり。
なんでもいいんだが人間は成長を感じて未来がもっと良くなっていると思えると、今生きることに活力が湧いてくる。何より人は暇があればあるほど悩む生き物だからだ。ずっとベッドで寝たきりになってくよくよしているくらいなら、何歳になっても何かを目指して挑戦し続けた方が人生はずっと楽しいだろう。未来に思いを馳せることは人に与えられた素晴らしい能力であり、生きる支えになるのだ。
努力した事実は残る
次は努力をした事実は残る、だ。
でもさっきみたいに未来に希望を持って努力したとしてもうまくいかないこともあるだろう。努力は必ず報われるわけではない。個人がプロゲーマーになっても勝てないかもしれないし、60歳を超えてから youtube を始めても伸びないかもしれない。マラソンでもいいタイムを出せないかもしれない。
それじゃ意味がないじゃないか?と思う人もいるかも知れない。だが夢中になって楽しめたらそれでいいじゃないか、というのが本書では書かれている。もしあと1年で人生が終わるのならと考えたとき、うまくいこうがいかなかろうが、どちらにせよ私たちは最後は死ぬんだ。
メダルゲームで言うと閉店時間が来たら全部回収されるみたいな感じだ。だったらメダルが増えようが減ろうが時間内で楽しんだもの勝ちだ。であればあと1年楽しめたかどうかが重要だろう。
それに他人と比べるよりも自分の成長を楽しめればいい。1秒でもマラソンのタイムが速くなっていればそれで楽しいし、それなら何歳からでも可能なはずだ。
まとめると、人生を最大限楽しむにはさっきも言った通りまず「人生に希望を持つこと」が大切だ。そのために何かを目指して本気になる必要がある。そうすればベッドで天井を見上げながら溜息をついて最後の一年を過ごさずに済む。その結果たとえ良い結果が出なくても努力をしたという事実は残る。そして努力をする過程で人は必ず何かを学んでいるのだ。新しいことを学ぶことは成長だ、それは楽しい。そうやって本気で熱くなって人生を楽しんでいれば未練なく死を迎えることができるだろう。
もっと家族との時間を大事にする
次はもっと家族の時間を大事にするだ。
もしあと1年で人生が終わるのなら誰と会いますか?
死を前にした患者の口からよく出てくるのが「もっと家族の時間を大事にすればよかった」なんだ。元気なときは家族よりも仕事を優先するし、社内で多くの人と関わるため孤独感もない。休日の出張や接待ゴルフをするという人もいるだろう。
だが第一線を退いて仕事を退職し、体の自由がきかなくなってきたりすると自分の身の回りには、会社の同僚でも友達でもなく家族しか残っていないことが多い。結局家族しか残らない。若い人の中には仕事が忙しくて両親に年1回くらいしか会えなかったりする人も多いだろう。あと何回大切な人に会えるのかを考えてみると意外に少ない。そのうち両親や家族の人生が終わってしまうことがあるのだ。
でも仕事も大切なのも事実だ。だからもちろんすべてを手に入れることはできない、その上で多くの患者達が言うように、少しだけ大切な人との時間を優先すると後悔は少ないだろう。
誰だって生きているだけで価値がある
さて最後は誰だって生きているだけで価値がある、だ。
多くの患者は人生が終わるときに「自分の人生に意味があったのか」を考えるのだそうだ。実際に患者の中には「体が動かなくて何もできない自分には価値がない」とか「生きていても迷惑をかけるだけだ、自分の人生には意味がない」と思う人も多い。
しかしな患者がいるから医師と看護師の仕事があるわけだ。誰だって生きていれば家賃や光熱費、食べ物、水を消費するし、動画や漫画などのコンテンツだって見る。電車にも乗るしタクシーだって利用するだろう。それが回り回って誰かの収入になっているわけだ。もっと言うと息子や娘、親からすれば生きてるだけで心の支えになっているかもしれない。
だから誰だって生きているだけで価値があると著者は言っている。大事なのは自分の生きている意味をしっかり見つけておくことだ。それが人生が終わるときに豊かさを手に入れるために必要なことなんだ。
まとめ
- もし1年で人生が終わるとしたら、どうするのか何をしたいのかをまず考える。
- やり残した後悔は人生の後半になればなるほど重くなっていく
- 誰かを喜ばせられている仕事は幸福感が高い
- ついつい他人と比べて悩むのをやめる
- 人の目を気にせずに自分らしく生きる
- いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと
- 未来に希望を持てなければ今日1日を大切に過ごすことができない
- もっと家族の時間を大事にする
- 最後に残るのは同僚でも友達でもなく家族
- 自分の生きている意味を見つけておく
これを最後まで読んでくれたあなたにも悔いのない人生を送ってほしいと思う。
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