このアドラー心理学は、
劣等感に悩まされて生きるのが辛い人を救う学問だ。
アドラー心理学は
「今この瞬間から人は変われるし、幸福になることができる」
という考え方だ。
今この瞬間から変われる
告白できないという悩みを持つ青年が
アドラーに相談するところから始まる。
アドラー:なんで告白できないんだ?
青年:僕がダメ人間だからですよ。身長も低いし、顔も悪いし。
アドラー: いつからそう感じた?
青年: うーん、昔学校で用紙や頭の悪いのを馬鹿にされたんです。
それから消極的になったんです。
アドラー:なるほど、
つまり「過去のつらい経験」と「自分はダメな人間」だから
「告白する勇気が出ない」と、そう言いたいわけか。
青年: はいそうですよ、それがどうかしたのですか?
アドラー:アドラー心理学では「過去(トラウマ)」は
今の行動に全く影響を与えないものだと考える。
アドラー: お前が好きな人に告白できない原因は、
過去にはないということだ。
青年: は?ありえないでしょ。
過去のトラウマがあるから今も苦しめられているんですよ。
アドラー:じゃあ学校でいじめられていた人が、
全員自信を持てす、消極的になると思うか?
青年: それは…人それぞれじゃないですか?
アドラー:そうだろう。
学校でいじめられていたとしても、
ポジティブで大成功する人もいるし、
身長が低くても自信があってモテる人もいる。
もちろんお前のようにふさぎ込んでしまう人もいる。
つまり今のお前と過去は全く関係がないんだ。
青年:ちょっと待ってくださいよ。
過去が関係ないのなら、なんで僕は告白する勇気を持てないのですか?
アドラー:アドラー心理学では
「過去の原因」ではなく「今の目的」から物事を考えていく。
アドラー:お前は告白したくないという目的を果たすために、
使い勝手のいい「過去の辛い経験」や「自分はダメな奴」だという
感情をでっちあげているんだ。
青年: は?でっちあげる?何のために?
アドラー:告白しなければ女の子に嫌われることもないし、
フラれて傷つくこともない。
…つまりお前は「傷つきたくない」という目的を果たすために、
「できない理由」を作っているんだ。
なるほど…考えたこともありませんでした。
アドラー:そもそも原因がすべて過去になるとしたら、
何をやっても無意味ということになる。
その考え方は人を堕落させるんだ。
傷つかないために人はできない理由を作る
青年: じゃあ僕が変わるにはどうすればいいですか?
アドラー: まず過去など関係ないと考える。
そして嫌われることを恐れずに告白すればいい。
青年: でもフラれたら?
アドラー: フラれればいいじゃないか。
青年: は?
アドラー: そうすれば今よりも前に進むことができる。
自分を変えるということは、今まで自分が入らなかった
立ち入り禁止エリアに一歩足を踏み入れることなんだ。
アドラー: 今までやりたかったけど、怖くてできなかったことに
一歩踏み出す、それが自分を変えるということなんだ。
青年: でもフラれたら意味ないでしょ?
アドラー: 告白できずにもんもんとした時間を過ごしている、
お前のほうがよっぽど意味ないだろ?
アドラー: 告白の結果はお前にはどうしようもない。
告白できて変化できた自分を喜べばいい。
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自分を変えるには「禁止エリア」へ一歩踏み出だす
青年: でも自分を変えるというのは怖いですね。
アドラー: それはよくわかる、誰でもそうだ。
だがそもそも他人は誰もお前のことなど見ていない。
アドラー:お前が告白しようがしまいがみんなどうでもいい。
お前の身長や顔を気にしているのはお前だけだ。
アドラー:アドラー心理学は「人間の悩みはすべて人間関係の悩み」
だと考えている。
青年: え、すべてですか?僕の身長が低いのも、頭が悪いのもですか?
アドラー:ああ、他人がいるから顔が悪いとか身長の低さに悩むのだろう?
もしこの世に自分しかいないのなら、
顔の悪さや身長の低さに悩むわけがない。
青年: たしかに…。
人間の悩みはすべて人間関係である
青年: すべての悩みが対人関係の悩みだとということは分かりました。
でも分かったところで、どうすればいいのですか?
明日から人類が自分一人になるわけないですし。
青年:勇気がなくて行動できません。
アドラー:だったら「他人から嫌われればいい」
青年: は?他人から嫌われる?そんなの苦しいじゃないですか。
アドラー:
もちろんわざと嫌われろと言っているわけではないぞ。
ここで言いたいのは
「他人から嫌われるのを恐れていたら 自分らしく行動できない」
というものだ。
アドラー:
お前は女の子から嫌われるかも知れないと思うから告白できない。
だったら嫌われてもいいと考えて告白するしかないだろ?
青年: じゃあ告白できたら僕のことを褒めてください。
アドラー:褒めない。
青年: なぜですか?
アドラー:アドラー心理学では
「他人から好かれることも褒められることも期待してはいけない」
と考えている。
青年: 人から褒められたいから頑張れるのが人間でしょ?
アドラー:
もし誰かから褒められるために、
仕事、勉強、告白をするのであればいますぐやめろ。
どうせ誰も褒めてくれなくなったらやめるんだからな。
アドラー:もし他人に好かれることばかりを考えていたら、
毎日全員の顔色を窺ってよい顔をして生きなければならない。
アドラー:それは窮屈だ。
アドラー:お前が今行動できないのは、過去や能力不足は一切関係ない。
他人から「嫌われる勇気」がないだけだ。
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他人の期待を満たすために生きてはいけない
青年:
わかりました。
僕が行動できないのは、過去や能力不足など一切関係なく
「嫌われる勇気」がないだけだと。
青年:
確かに僕は他人から嫌われることばかり考えていました。
でも今からそれを気にしないように生きようなんて簡単にはできませんよ!
青年: どうしたらその嫌われる勇気が出てくるのですか?
アドラー:
お前に嫌われる勇気がないのは、
自分は無価値な人間だと感じているからだ。
青年: 無価値?
アドラー:
ああ、自分に価値がある人間だと思えれば、
誰に嫌われても気にしなくなる。
人の目など無視できるようになる。
褒められても嫌われてもどうでもいい。
アドラー:
だから嫌われる勇気が欲しければ、
自分には価値があると勘違いでも思えればいいのだ。
青年:じゃあどうすれば、自分には価値があると思えるんですか?
アドラー:
私たちは誰かの役に立っていると思えた時にだけ、
自らの価値を実感することができるんだ。
青年:
ということは、勇気を持つためには他人に貢献すべき、ということですか?
アドラー:ああ、そうだ。
青年:あのさっき言いましたよね、
他人から褒められたいと思うことをやめろって。
アドラー:誰が他人から褒められるために貢献しろ、と言った?
アドラー:
誰も褒めてくれなくても、たとえ嫌われようとも、
自分が他人に貢献していると思えることをやればいいんだよ。
役に立ってると思えた時に自らの価値を実感できる
アドラー:
ああ、そうだ。 いいか?
そもそも他人に貢献するのは自分のためなんだよ。
青年: 自分のため?
アドラー:ああ、そうだ。
ああ、募金も親孝行も猫の世話も、
誰かの役に立つと思えれば自分の価値を実感できることができるからだ。
他人が褒めてくれるかはどうでもいい。
アドラー:
例えば、簡単にいうと仕事は「必ず誰かの役に立っている」
つまり仕事は自分の価値を感じられる行為だ。
大富豪なのに仕事を続ける人がいるだろう?
それは仕事で誰かの役に立つことで自らの価値を実感するためだ。
アドラー: それは仕事じゃなくてもいい。
自分が他人に貢献していると思えることならなんでもいいんだ。
まとめ
お前が行動できないのは、過去や能力不足は一切関係なく、
「嫌われる勇気」がないだけだ。
そして嫌われる勇気を手にするには「他人に貢献する」必要がある。
しかし他人から褒められることや嫌われることを気にしてはいけない。
なぜなら他人の期待に答えると自分の思うように生きられないからだ。
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